ライダーは右コーナーが苦手?
− その理由を考えてみました −
ライダーは右コーナーが苦手と良く聞きます。
そういう自分も左より右の方が攻めきれない気がします。 何故なのか今更ながら自分なりに理由を考えてみたところ、 主に3つの条件による所が大きいとの考えに辿り着きました。 あくまで個人的な見解です。 |
1.バイクの構造上の問題
昔から感じていたことは、左コーナリング中に何かハプニングがあっても、右足でブレーキをかけ、車体のバランスが崩れてもイザとなれば左足を地面につけて何とかなる的な大して根拠のない安心感があるが、 右コーナリング中に右足でブレーキかけた場合、何かあっても地面につけられる足がないので常に不安感がある。 現在主流のバイクの構造上の問題です。 実際何かあった時に足を付けることで転倒を回避できるのかは、その状況次第であるとは思うが、心理的な問題が大きく影響を与え、 左よりやりにくいイメージが右にはあるのだと思います。 |
2.円弧長の違い
ひとつの同じコーナーを左で曲がると上手く攻められるのに反対車線から右で曲がるとイマイチ攻めきれない…。 同じRなのに右コーナーだと攻めきれないのは、左と右でRは同じでも半径の違いによる円弧長=コーナーの走行距離が違うのが原因だと思います。 例えば同じコーナーを左カーブで曲がるとき、円弧長は短くタイトなコーナーですが、反対車線の右カーブとして曲がる場合は、円弧長は長く極端に言えばゆるいコーナーになります。 日本は左側通行なので、どこを走っても常に右カーブはゆるいカーブとなります。 このことはコーナリングスピードに関係します。 例えば左カーブを60キロで、そこそこコーナリングしたとして、同じ60キロの速度で反対車線から右カーブとして曲がれば、円弧長の違いから全然攻めきれないですよね。 右カーブをさらに攻めるならば60キロ+αのスピードが必要になりますが、公道では色々リスクが高くなりますし、そもそも攻めるために公道で、コーナリングスピードを上げるというのは、ちょっと気が引けて自制してしまいます。 従って右コーナーは常に攻めきれない感覚が残るのだと思います。 |
3.峠は狭い(特に右コーナー)
公道の特徴として道が狭いのが意識にかなり影響していると思います。 例えば左コーナーであっても反対車線が渋滞していたら、ガンガン攻めて走る人はあまりいないですよね。 何かが飛び出してくるかもしれないし、ミスって反対車線の車に突っ込む訳にはいかないので、セーブして走るのが普通だと思います。 では左コーナーで反対車線に明らかに対向車がいない状況であれば…。 容易に攻めて走れることと思います。 そこにはもしコーナリング中にバランスを崩したとしても、バイクはアウト側に膨らむので、左コーナーなら反対車線がランオフと成り得るという 意識か無意識が働いてているのだろうと思います。 (反対車線=ランオフという考えを推奨している訳ではなく心理的な話として。) しかし右コーナーはアウトにランオフは殆どの場合存在しません。 壁やガケであることが多い為、右コーナリング中に、思っていたラインからズレてしまった場合、恐怖心から目線が壁やガケへ行ってしまい返って体が硬直して怖い思いをした。又は事故を起こした…。 といった経験から苦手意識になっているのだと思います。 |
例えばこんなコーナー。右と左どっちが走りやすいですか。ちなみに道路の向こう側はガケです。
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では、どうしたら右コーナーの苦手意識がなくなるのか?
個人的な意見としては、上の3つの条件を簡単に完全に解決することは困難だと思いますので、 右コーナーの苦手意識は基本的に無くならないと思います。 ただ各ライダーで苦手意識の程度の差があるというだけで、左側通行の日本のライダーの宿命と言えるのではないでしょうか。 ちなみに2、3は公道の話でサーキットでは関係ないので、 サーキット走行では右コーナー苦手意識は大分低減すると思います。 |
2017年9月